第83章 良かった、迷わず彼を選んで

横尾グループ。

横尾孝人は中島美奈を自宅まで送り届けると、その足で会社へ戻った。

眉間には陰りが落ち、胸の奥に溜まる不快感が、じわじわと濃くなっていく。

頭の中を占めているのは、南雲玲奈が――あの男と一緒にいる光景だった。

あの女……度胸があるにもほどがある。

結婚している身で、堂々と裏切るつもりか?

いつからだ。

いつから、そんな真似を――。

過去数年、自分が彼女に向けてきた冷たい視線への報復か?

だが、南雲玲奈にそんな資格があるのか。

そもそも当時、あいつが妊娠を盾にして、祖母を使って結婚を迫らなければ――自分は絶対に娶ってなどいない。

離婚を切り出すのも、本来なら...

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